Salesforceを無駄にしない!導入の定着化のためのポイント

目次

はじめに

こんにちは。mcsのT.Mです。

今回は、プロジェクト担当者としてSalesforce導入・運用を行い、うまくいった経験や失敗した経験から
Salesforce導入を成功させ定着化させるためのポイントについてご紹介させていただきます。

  • 導入したはいいけど、うまく使えていない…
  • 定着せず中途半端な活用状況が続いている…

こんな悩みは意外と多いもので、そんな悩みを抱える方や、これから導入を検討している方の参考に少しでもなれば嬉しいです。

導入後に陥りがちな「使われないSFA」の罠

Salesforceを導入することで、営業活動の効率化や顧客管理の精度向上を期待している企業は多いでしょう。

  • 営業が事務作業や資料作成・報告に時間をかけることから解放され、お客様と接する時間を増やすことができる
  • 顧客や営業の状況が一目で確認・判断できるようになり、適切な指示や意思決定がスピーディに行われるようになる
  • 個人の「経験と勘」に頼った営業から脱却し、必要な情報を蓄積することでデータに基づいた効率的な営業を行えるようになる

特にこのようなことを目的にSalesforceを導入する企業が多いと思います。

しかし、実際に導入してみたら

  • 入力が徹底されない
  • 期待していたほど活用されていない
  • 現場の負荷が高く、営業活動が効率化された実感が持てない

という状況に直面することがよくあります。
導入したものの、営業スタッフがシステムに抵抗感を持ち、業務負荷の増加として感じてしまうことが典型的なパターンです。

現場の負荷が大きい
→ 入力が徹底されない
→ データの可視化をしても、インプットが不十分なため中途半端な状況把握しかできない
→ 効果が実感できない

といった負のサイクルに陥ってしまいます。

ユーザ側がシステムに対して苦手意識を持ってしまうと、「入力を忘れた」「とりあえず後でまとめてやろう」といった意識が根付き、せっかく費用と時間をかけて導入したSalesforceが形骸化してしまう場合もあります。
これでは、本来の目的が果たされず、成果を実感することができません。

設計段階で決まる!スタートダッシュを切るための3つのポイント(設計編)

Salesforceが定着し、日常的に活用されるためには、導入段階の設計が重要です。
以下の3つのポイントを押さえることで、スムーズなスタートを切ることができます。

①現場の声を反映したシンプルな設計を心掛ける

Salesforceを導入する際に、経営層や管理者の視点だけで設計を進めるのは禁物です。
実際に使う営業スタッフの声を反映させることが、システム定着のカギとなります。

現場のフローに合致しない複雑なシステムは、使われなくなるリスクが高いため、可能な限りシンプルで利用者目線に立ったUIとなるよう構築しましょう。

ただ、すべての意見や要望を実現できるわけではありませんし、言われるままに取り入れればいいわけでもありません。
もらった意見を踏まえてあるべき状態を決め、優先度と全体最適を考えて仕様を決定するのがプロジェクトと運用担当者の役割になります。

可能であれば、営業現場の業務に精通しているメンバーをプロジェクトに参画させ、現場目線で意見を出してもらいながら一緒に設計を進めることができるとベストです。

②導入初期は機能と入力項目を絞って負荷を下げる

多機能なSalesforceですが、最初から多くの機能を導入するのは得策ではありません。
むしろ、最初は本当に必要な機能だけに絞り込み、段階的に他の機能を追加していく方が、現場が混乱せず、定着しやすくなります。
商談管理や顧客情報の管理など、営業活動に直結する部分から始めるのがオススメです。

例えば、

  1. 商談のフェーズ管理
  2. 商談の期日管理
  3. 売上見込みの管理

この3つを最重要な機能として構築して必須入力項目を設計し、それ以外の項目や機能は画面から外した状態でスタートするなど、とにかく最初は負荷を軽めに設計し、利用してもらう、慣れてもらうことに焦点を当てましょう。

ここでのポイントは、データ管理の観点やマネージャの観点で「あったら使えそう」という理由で項目や機能を増やさないことです。
まず必要最低限の項目と機能に絞り、その中で運用を定着させることが重要です。
その後、運用しながら追加・変更を加えていく、という進め方の方がスムーズに活用が進むことが多いです。

③他システムとの連携で二重の手間を減らす

基幹システム等、他のシステムと併用してSalesforceを利用する場合、気を付けたいのが連携面です。

特に、他のシステムとSalesforceで似たような情報の入力をそれぞれ実施しなければならない、という状況をできる限り作らないことが重要です。
このような二重入力があると、営業現場には業務負荷が増加した、と受け取られる可能性が高まります。

プロジェクト予算やスケジュール、その他の要因で致し方ない場合もあるとは思いますが
本来営業活動の効率化を目指して導入をするシステムが、営業の業務負荷を増やすだけのものにならないよう
システム間の連携処理を検討してできる限り負荷を軽減できるようにしましょう。

また様々な理由によりシステム間の連携処理を実装することができない場合も
入力や情報の反映を簡便に実施できる方法を用意できないか、各種ツールの利用を含め検討してみましょう。

使われる仕組みを作る!現場定着化のための3つの工夫(運用編)

せっかく良いシステムを設計しても、運用する段階でユーザに使われなければ意味がありません。
以下の3つの工夫を実践し、Salesforceを現場に定着させましょう。

①現場を味方にし、運用改善のための体制を作る

Salesforce導入のプロジェクトでありがちな問題が、システム導入の推進者と現場のユーザとの間の温度差です。
「せっかく作ったものをうまく活用してほしい」というプロジェクト側の思いと裏腹に、
現場ユーザは「使いにくい、めんどくさい」というイメージを持ってしまっていることがあります。

システム導入は、ある種トップダウンで推し進めなければうまく進まない部分も多くありますが、その一方で現場からのフィードバックを受けて機能やUIを調整をしていくことも特に運用フェーズにおいては重要です。

可能であれば、現場のユーザの中に、Salesforce活用促進のための推進者を立てましょう。
マネージャではなく、実際に日々Salesforceで業務を行う一般的なユーザの代表となる人にプロジェクトにかかわってもらい、他のユーザへのトレーニングやサポートをしてもらったり、ユーザ側の意見・要望の取りまとめをしてもらいましょう。

導入時点で100点のシステムはないので、運用をしながらユーザの意見や要望も取り入れつつ、全体として使いやすく効率的なシステムになるように改善をしていく体制を作ることで、現場のユーザもSalesforceの活用に対して前向きな姿勢を持ちやすくなります。

②成果を実感できる仕組みを早期に作る

Salesforceを導入した効果をすぐに感じてもらうことも定着化のポイントです。

商談の進捗や顧客の状況が一目でわかるダッシュボード、リードの見込み度合いを自動で算出するスコアリング機能など
すぐに営業成績に直結する機能を最初に導入・展開し、成果が目に見える形を作りましょう。

特に、リアルタイムで営業成績やKPIを可視化するダッシュボードを設置することは、現場の営業やマネージャーにとって、分かりやすい効果として受け取られます。
入力したデータが実際にどのように営業活動や成果に影響しているのかが一目でわかることで、「ただやらされている感」から「自発的に使いたい」という意識に変わります。

導入前に最適なダッシュボードを設計しておくことは難しいので、運用しながら徐々にバージョンアップさせていく形になると思いますが、データの可視化とそれに基づいたマネジメントを早期に立ち上げることができると運用定着が加速します。

③「使わざるを得ない」状況を作る

Salesforceを使わないと業務ができないような仕組みにしてしまうことも有効な方法です。

例えば、

  • 営業会議でSalesforceのデータを基にした報告が求められるようにする
  • 業務上必要な申請をSalesforceで行うようにする

など、営業報告や重要な意思決定・数値評価がSalesforce上でのみ行われるようにすることで、現場は自然とシステムを利用せざるを得なくなります。

各所の協力・理解を得ることが必要になりますが、Salesforceを使わなくても仕事ができてしまう、だとなかなか全員に浸透させることが難しくなるため、システムを利用する強い動機付けとして業務フローや評価指標の中にSalesforceを組み入れて定着を図りましょう。

まとめ

Salesforce導入を成功させるためには、

  • まず設計段階で現場のニーズを取り入れ
  • 入力負荷を軽減したシンプルでわかりやすいシステムを構築して
  • 他システムと連携して二重の手間を減らす

ことが肝要です。

そして運用段階では、

  • 現場に推進者を立てて現場との距離が近いプロジェクト体制を整えるとともに
  • データの可視化によって効果を実感させ
  • 数値報告等もSalesforceに切り替えて「使わざるを得ない」状況を作る

ことが成功のカギです。

これらのポイントを押さえて、現場で使われ続けるSalesforceの構築を目指しましょう!

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